「いい香り」で頭痛や吐き気がしませんか? それは気のせいではなく、脳と肺が悲鳴を上げている証拠です。柔軟剤の正体は、接着剤成分とプラスチックのカプセル。
弾けた微粒子は「第2のアスベスト」として肺の奥に突き刺さり、一生排出されないリスクがあります。
本記事では、家族の脳を麻痺させる「香害」の恐怖と、クエン酸とお日様で取り戻す「本当の清潔」についてお伝えします。
マイクロカプセル、その香りは「空気の汚れ」です
接着剤成分「イソシアネート」の恐怖
すれ違いざまに鼻を突く、人工的な甘い香り。最近の柔軟剤や合成洗剤の匂いは、昔とは明らかに質が変わりました。なぜ、あんなにも強烈に、しかも何日経っても香りが消えないのでしょうか。
それは、香りを長持ちさせるために、香料を微細なプラスチックの殻に閉じ込める「マイクロカプセル」という技術が使われているからです。
このカプセルの殻に使われている素材は、メラミン樹脂やウレタン樹脂といった、いわばプラスチックそのものです。そして、それらを衣類にピタリと張り付かせるために、「イソシアネート」という化学物質が使われることがあります。これは、接着剤や塗料の硬化剤として使われる猛毒で、アレルギーや喘息を引き起こす原因物質として知られています。
私たちは「良い香り」だと思って、この目に見えないプラスチックの粒子を、衣類と一緒に身にまとい、摩擦で弾けさせながら、一日中吸い込み続けているのです。それはもはや香りではなく、空気中を漂う微細なプラスチック片であり、肺の奥深くに突き刺さる「見えない弾丸」であることを認識せねばなりません。
きれいな服を着ているつもりで、実は接着剤とプラスチックを肺に入れている。これほど不自然で恐ろしいことが、平然と行われているのが現代なのです。
弾けたカプセルの破片は、呼吸器から排出されずに一生体内に留まるのか
さらに深刻なのは、このマイクロカプセルが弾けた後の行方です。ナノレベルまで砕け散ったプラスチックの破片(マイクロプラスチック)は、呼吸によって鼻や口から入り込み、肺の最深部である「肺胞」にまで到達します。
一度肺胞に入り込んだ微粒子は、咳や痰として排出することが非常に困難です。かつて、建築資材として使われたアスベスト(石綿)が、吸い込んでから数十年後に肺がんや中皮腫を引き起こした悲劇を忘れてはなりません。専門家の中には、この吸入性マイクロプラスチックが、将来的に「第2のアスベスト」となり、重篤な呼吸器疾患を引き起こすのではないかと警鐘を鳴らす人もいます。
体は、入ってきた異物を何とかしようと戦います。しかし、分解できないプラスチックが蓄積し続ければ、肺の組織は炎症を起こし、繊維化して硬くなっていくでしょう。便利さを求めて開発された技術が、私たちの命の根幹である呼吸を奪おうとしている。この事実に目を背けてはいけません。
脳を麻痺させる「香りの暴力」
頭痛、めまい、思考停止は、脳が「酸素不足」と「中毒」を起こしているサイン
「隣の家の洗濯物の匂いで頭が痛い」「電車の中で吐き気がする」。こうした訴えを「神経質な人だ」と片付けるのは大きな間違いです。彼らは神経質なのではなく、体が正常な警戒信号を発しているのです。
嗅覚というのは、五感の中で唯一、脳の「大脳辺縁系」に直結しています。ここは、感情や本能、自律神経を司る、生命維持の中枢です。鼻から吸い込んだ合成香料の化学成分は、血液脳関門をすり抜けて、ダイレクトにこの中枢を直撃します。
頭痛、めまい、倦怠感、そして思考力が低下して霧がかかったようになる「ブレインフォグ」。これらは全て、脳が化学物質という「神経毒」に侵され、中毒症状を起こしているサインです。また、化学物質によって酸素の運搬が阻害され、脳が酸欠状態に陥っているとも言えます。これは、ある日突然誰にでも発症する「化学物質過敏症」への入り口です。コップの水が溢れるように、許容量を超えれば、あなたも明日、その苦しみの中に突き落とされるかもしれないのです。
低い位置に滞留する化学物質が、未発達な脳と小さな肝臓を破壊する
大人が苦しいのですから、体の小さな子供やペットへの影響は計り知れません。揮発した化学物質やマイクロカプセルは空気より重く、床に近い低い位置に滞留する性質があります。つまり、ハイハイをする赤ちゃんや、犬や猫たちは、大人よりもはるかに高濃度の化学物質の海の中で呼吸をしているのです。
子供の脳は発達の途中にあり、肝臓の解毒機能も未熟です。そんな時期に、脳神経を狂わせる化学物質を吸い込み続ければ、情緒不安定やキレやすい性質、あるいは発達障害に似た症状を引き起こすリスクが高まります。言葉を話せないペットたちが、原因不明のアレルギーや肝機能障害で苦しんでいることも増えています。
家庭という一番の安らぎの場所を、毒ガス室にしてはいけません。母として、飼い主として、弱い命を守るために何を選ぶべきか。コマーシャルの甘い言葉ではなく、命の声に耳を傾けるべき時が来ています。
汚れを落とさず、さらに汚す洗濯の罠
柔軟剤は「洗剤のカス」を衣類に塗りつけ、カビと雑菌の温床を作っている
そもそも、なぜこれほど強力な「消臭」や「抗菌」が必要になったのでしょうか。それは、現代の洗濯が「汚れを落としきれていない」からです。
柔軟剤の主成分は「陽イオン界面活性剤」という消毒薬のような性質を持つ油分です。これは、衣類の繊維を油の膜でコーティングすることで、肌触りを滑らかに見せかけています。しかし、すすぎの段階でこれを投入するということは、洗剤で落としきれなかった汚れや雑菌の上から、さらに油の膜で蓋(ふた)をしてしまうことになります。
コーティングの下で、閉じ込められた雑菌やカビは繁殖し、それがまた悪臭を放ちます。その臭いを消すために、さらに強力な香料入りの柔軟剤を使う。これでは、汚れの上から化粧をしているようなもので、衣類はどんどん不潔になり、黒ずんでいきます。洗濯とは本来、汚れを水に流して「無」にすることです。何かを足して誤魔化すのは、本末転倒な「汚染」に他なりません。
鼻が麻痺して「もっと強い香り」を求める、メーカーに仕組まれた消費のループ
怖いことに、人間の嗅覚は同じ臭いを嗅ぎ続けると、すぐに麻痺して感じなくなる性質があります。これを「嗅覚疲労」と言います。柔軟剤を使い続けている人は、自分の服の強烈な臭いに気づきません。「匂いがしなくなった」と勘違いし、規定量以上の柔軟剤をドボドボと注ぎ込むようになります。
これこそがメーカーの狙う「依存症のメカニズム」です。鼻を麻痺させ、もっと強い香り、もっと新しい商品を次々と買わせる消費のループに、私たちはまんまと嵌(は)められているのです。香りで心を満たそうとするのは、心が乾いている証拠です。作られた香りに依存するのではなく、自然の清々しさを感じる心を取り戻さなくてはなりません。
クエン酸と天日干しで取り戻す、呼吸できる暮らし
クエン酸リンスの魔法
柔軟剤をやめると、タオルがゴワゴワするのではないかと心配されるでしょう。そこで登場するのが、台所にもある「クエン酸」です。
洗濯石けんや洗剤の多くはアルカリ性です。このアルカリ分が繊維に残ると、ゴワつきや黄ばみの原因になります。そこで、すすぎの時に小さじ一杯程度のクエン酸(またはお酢)を入れるのです。すると、酸がアルカリを中和し、繊維がキュッと引き締まりながらも、ふっくらと柔らかく仕上がります。
これは、化学物質でコーティングするのとは違い、繊維そのものの力を引き出す知恵です。雑菌の繁殖を抑える効果もあり、部屋干しの嫌な臭いも防いでくれます。安価で安全、そして環境も汚さない。昔ながらの知恵は、いつの時代も私たちを助けてくれるのです。
太陽の匂いだけを纏(まと)うことが、あなたの免疫力と感性を蘇らせる
そして、洗い上がった洗濯物は、ぜひお天道様の下に干してください。太陽の紫外線は、どんな強力な殺菌剤よりも安全に、雑菌を死滅させてくれます。
乾いた洗濯物に顔を埋めた時、そこには人工的な香りは一切ありません。あるのは、太陽の匂い、風の匂い、つまり「お日様の香り」だけです。これこそが、本当の「清潔」であり、最高の贅沢です。
無香料の生活を始めると、最初は物足りなく感じるかもしれません。しかし、一週間もすれば、麻痺していた嗅覚が蘇り、道端の花の香りや、ご飯の炊ける匂い、季節の移ろいに敏感になっている自分に気づくはずです。毒を絶ち、五感を取り戻すこと。それが、あなたの免疫力を高め、命を輝かせる一番の近道なのです。
柔軟剤の毒ガスに気づいたあなたなら、お風呂場で毎日頭にかけている「あの液体」の危険性も直視できるはずです。 頭皮は腕の何倍もの吸収率を持つ「穴」です。そこから入った界面活性剤が、子宮や前立腺に溜まるホラーのような現実と、シャンプーをやめるだけで髪が増える「湯シャン」の奇跡をお教えします。
シャンプー・リンスの「経皮毒」が子宮と前立腺に溜まる理由。界面活性剤を断つ湯シャンのすすめ
コメント