【100%の罠】「濃縮還元」は砂糖水と同じ?ジュースが奪う酵素と、血糖値を乱す液体の正体

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スーパーで手に取る「果汁100%」のジュース。健康のためにと子供に飲ませているその一杯が、実は砂糖水と変わらないとしたらどうでしょう。

「濃縮還元」と「ストレート」、同じ100%でもその製造過程は天と地ほど違います。煮詰められ、香りを足された液体に、果実の命である「酵素」は残っているのか。

便利さと引き換えに失われた栄養の真実と、本当に体を養う「飲み方」の知恵をお伝えします。

「100%」という数字のトリック。濃縮還元とストレートの決定的な「命」の差

なぜ水分を飛ばすのか?海外から安く運ぶための「コストの論理」

「濃縮還元」とは、搾った果汁を加熱して水分を飛ばし、ドロドロのペースト状(濃縮果汁)にして冷凍保存し、消費地へ運んだ後に、再び水を加えて元の濃度に戻すという製法です。なぜ、わざわざそんなことをするのか。それは「命」のためではなく「金」のためです。

水分を抜けば体積が5分の1から6分の1になり、輸送コストが劇的に下がります。海外の広大な農園で採れたオレンジを、安く日本へ運ぶための苦肉の策なのです。しかし、考えてみることです。一度煮詰められ、水分を奪われた果実に、元の瑞々しい生命力が残っているでしょうか。それはもう、果物ではなく「工業製品」としての液体です。

失われた香りは「香料」で補う。脳を騙すニセモノの風味について

濃縮の過程で加熱すれば、果実が持つ繊細な「香り」はすべて飛んでしまいます。水を足して戻しただけでは、味気ない色付きの水です。そこでメーカーは何をするか。「香料」を添加するのです。

パッケージの裏を見てみなさい。「果汁100%」と書いてあるのに、原材料名に「香料」とあるはずです。これは、失われた自然の香りを、化学的に合成された匂いで誤魔化している証拠です。私たちの脳は、その香りを嗅いで「フレッシュだ」と錯覚しますが、体は騙されません。不自然なものを入れられれば、肝臓は黙ってその解毒に追われるのです。

加熱で酵素とビタミンが死滅するプロセスを知ること

濃縮還元は「煮詰めたジャム」を水で割ったものと同じ?

濃縮還元ジュースの本質を一言で言えば、「砂糖の入っていないジャムを、水で薄めたもの」です。加熱によって濃縮する際、熱に弱いビタミンCの多くは壊れ、何より大切な「酵素(こうそ)」が完全に死滅します。

自然療法では、酵素こそが命の源(スパーク)であると考えます。酵素があって初めて、ビタミンもミネラルも体の中で働けるのです。酵素のない濃縮還元ジュースは、単なる糖分と酸味のついた液体であり、体を冷やし、代謝を落とす「死んだ食べ物」と言っても過言ではありません。

ストレートでも安心できない?日本の法律が定める「加熱殺菌」の義務

では、搾ったままの「ストレートジュース」なら安心かと言えば、そうとも言い切れません。確かに濃縮還元よりは風味が残っていますが、日本で流通する瓶詰めやパックのジュースは、食品衛生法によって「加熱殺菌」が義務付けられています。

たとえストレートであっても、多くは短時間の加熱処理をくぐり抜けています。つまり、生の果物を齧った時に溢れ出る「生きた酵素」は、市販のジュースである以上、期待できないのが現実です。「コールドプレス(低温圧搾)」のように、非加熱であることを明記した特別なものでない限り、ジュースはあくまで「嗜好品」であると心得ることです。

液体になった果実は「砂糖水」と同じ

食物繊維というブレーキを捨てた液体。膵臓を疲れさせるメカニズム

果物を丸ごと食べるのと、ジュースにして飲むのとでは、体への影響は全く違います。果物には本来、豊富な「食物繊維」が含まれています。これが、果糖の吸収を緩やかにするブレーキの役割を果たしてくれます。

しかし、市販のジュースはこの繊維を取り除いています(透明なものは特に)。ブレーキのない糖分は、飲んだ瞬間に小腸から爆発的に吸収され、血糖値を急激に跳ね上げます。これを下げるために膵臓は必死でインスリンを出し、疲れ果ててしまう。これが「ペットボトル症候群」や糖尿病の入り口です。砂糖が入っていなくても、液体になった果糖は、体にとっては砂糖水と同じ暴力的なエネルギーなのです。

子供に与えてはいけない。「噛まない」習慣が顎と脳を退化させる

「子供には野菜や果物が足りないから」と、毎朝ジュースを飲ませる親御さんがいますが、これは逆効果になることがあります。流し込むだけの食事は、子供から「噛む」という行為を奪います。

噛むことは、脳への血流を増やし、満腹中枢を刺激し、顎を発達させる大切な運動です。噛まずに甘い味が手に入ることを覚えれば、子供は硬い野菜や繊維質の多い果物を嫌がるようになります。ジュースは、本物の果物を食べる代わりにはなりません。楽をして栄養を摂ろうとする心が、子供の「生きる力」を削いでいることに気づくことです。

透明なリンゴジュースは不自然である。濁りこそが栄養の証

混濁(こんだく)ストレートを選びなさい。食物繊維とポリフェノールの恩恵

もし、どうしても市販のジュースを買うのなら、向こう側が透けて見える綺麗なジュースではなく、底が見えないほど濁った「混濁(こんだく)タイプ」を選ぶことです。

透明なリンゴジュースは、見た目を良くするために、酵素処理でペクチン(食物繊維)を分解し、濾過(ろか)して捨ててしまったものです。一方、混濁ジュースには、果肉の繊維や皮に含まれるポリフェノールの成分が残っています。自然界に、透き通った果汁など存在しません。濁りこそが栄養であり、不揃いこそが自然の証です。

酸化防止剤(ビタミンC)の添加。変色しないジュースへの違和感

リンゴを剥いて置いておけば、すぐに茶色くなります。これが自然の酸化反応です。しかし、市販のジュースはいつまでも綺麗な黄金色をしています。これは「酸化防止剤(ビタミンC)」が添加されているからです。

「ビタミンCなら体に良いのでは?」と思うかもしれませんが、これは栄養強化のためではなく、変色を防ぐための添加物として使われています。自然の摂理に逆らって色を留めているものには、必ず何らかの操作が加わっています。変色を恐れるあまり、添加物を飲む。その矛盾に気づくことです。

究極の贅沢は「自分で絞る」こと。生きた酵素をいただく唯一の方法

朝の数分が家族の血を作る。ハンドジューサーで絞る季節の命

本当に体に良いジュースを飲みたいのなら、答えは一つ。「自分で絞る」ことです。高い機械などいりません。昔ながらのハンドジューサーや、すりおろし器があれば十分です。

朝、旬のミカンやリンゴを、家族の分だけその場で絞る。加熱も濃縮もされていない、酵素が生きたままのフレッシュジュース。これは、どんな高級な市販品よりも価値のある「薬」です。その数分の手間を惜しまないこと。お母さんが手で絞ってくれたという記憶こそが、子供の心を養い、健康な血肉を作るのです。

飲むなら「噛んで」飲むこと。唾液と混ぜて初めて消化される自然の理

そして、自家製のジュースであっても、水のようにゴクゴク飲んではいけません。「飲み物は噛んで飲む」のが自然療法の鉄則です。

口の中でジュースを転がし、唾液とよく混ぜ合わせること。唾液に含まれる酵素(アミラーゼなど)が、消化を助け、胃腸への負担を減らしてくれます。噛むことで、冷たい液体が体温に近づき、お腹を冷やすことも防げます。一つ一つの行為に意味を持たせ、丁寧にいただくこと。それが命への礼儀です。

【読者さんからのQ&A】

本文では触れきれなかった、野菜ジュースの是非や、添加物の深い闇について、さらに踏み込んでお答えします。

Q. 「野菜一日これ一本」などの野菜ジュースなら、健康に良いのではありませんか?

A. 「野菜の代わり」にはなりません。あくまで「気休め」と心得ること。

野菜ジュースも、果物ジュースと同様に「濃縮還元」や「加熱殺菌」の壁があります。厚生労働省が推奨する「1日350gの野菜」という数字を満たすために、濃縮されたペーストを使っていますが、そこには生野菜の命である酵素や、熱に弱いビタミンはありません。

飲みやすくするために、糖度の高い野菜(ニンジンやトマトなど)や果物を多くブレンドしており、意外なほど糖質が高いのです。サラダを食べる代わりにこれを飲んでも、食物繊維の量は圧倒的に足りません。非常時のビタミン補給には良いですが、日常的にこれに頼るのは、食生活の怠慢です。

Q. ジュースの裏に書いてある「酸味料」とは何ですか?レモン汁ではないのですか?

A. 化学的に作られた酸味です。カビから作られることもあります。

原材料に「酸味料」とあれば、それはレモンや梅などの自然の酸味ではなく、遺伝子組み換えトウモロコシや廃糖蜜を原料に、カビの一種(黒カビなど)を使って発酵させ、化学的に精製したクエン酸などのことです。

味のバランスを整えるために使われますが、自然界の酸味とは波動が違います。安価なジュースほど、果汁の薄さを補うために、砂糖と酸味料と香料で「それらしい味」を作っています。舌を騙す添加物に、敏感になることです。

Q. 体調が悪い時、子供にポカリスエットと100%ジュース、どちらを飲ませるべきですか?

A. どちらも砂糖が多すぎます。「すりおろしリンゴ」にすること。

熱がある時、スポーツドリンクが良いと言われますが、あれは「飲む点滴」ではなく「飲む砂糖水」です。異性化糖(ガムシロップ)が大量に入っています。100%ジュースも、弱った胃腸には糖分の刺激が強すぎ、体を冷やします。

一番良いのは、リンゴをすりおろして、布で絞った果汁を少しずつ舐めさせるか、本葛(ほんくず)でとろみをつけた「葛湯(くずゆ)」や「梅肉エキス」を薄めて飲ませることです。病気の時こそ、工業製品ではなく、お母さんの手で整えた自然の薬効を与えることです。

Q. 海外産の濃縮還元ジュースに使われている「水」は安全なのですか?

A. 誰も保証できません。現地の水事情を知る由もないからです。

濃縮還元とは、現地で水分を飛ばし、日本で水を加えて戻すのが一般的ですが、海外で還元(水を足す)してから輸入されるものもあります。その場合、使われている水がどのような水質なのか、私たちには知る術がありません。

そして、濃縮還元に使われる果物は、傷があったり落ちたりした、生食用にはならない質の悪いものが使われることが多いのも事実です。安いのには理由があります。見えない背景に思いを巡らせ、信頼できる国産のストレート、あるいは地元の果物を自分で絞るという原点に立ち返ることです。

本記事について、疑問や質問があればぜひコメントでお知らせください。わたくしが可能な限り皆様の不安や悩みにお答えいたします。

自然堂の守り人と申します。
古来より培ってきた自然の理によって、現代社会の不器用さ、矛盾を紐解き、本来あるべき自分を取り戻すための知恵をお伝えしております。

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