私たちの体液は、かつて生命が誕生した太古の海の組成と驚くほど似ています。
つまり、私たちは「内なる海」を抱えて生きているのです。
しかし、現代の食卓に並ぶ塩はどうでしょうか。
薬品や電気の力でナトリウムだけを抽出し、大切なミネラルを削ぎ落とした「白い粉」になってはいませんか。
「塩分を控えなさい」という言葉に怯えるのをやめることです。
大切なのは、量を減らすことではなく、質を転換すること。
本物の塩は、あなたの血管を痛めるどころか、冷えを去り、細胞の隅々にまで活力を届けてくれます。
今日から、命を養うための「本物の塩」の選び方を、共に学んでいくことにしましょう。
精製塩という工業製品が失ったもの
99%の塩化ナトリウム。なぜ精製塩は血管を痛めつけ、細胞を焦がすのか
スーパーで安価に売られている塩の多くは、原材料名に「海水」とあっても、その中身は 99% 以上が塩化ナトリウムという純粋な化学物質です。
この精製された塩は、体内に入ると血液中のナトリウム濃度を急激に高め、浸透圧のバランスを崩します。
すると血管は水分を溜め込んでパンパンに膨らみ、血管壁に強い圧力をかけることになります。
これが、現代医学が指摘する「塩害」の正体です。
しかし、それは塩そのものが悪いのではなく、ミネラルを剥ぎ取った「不自然な形」に加工した人間のエゴが招いた結果であることを知ることです。
1%の微量ミネラルが運命を分ける。マグネシウムとカリウムの調和
一方で、本物の天然塩には、わずか数パーセントの中にカリウム、マグネシウム、カルシウムといった 80 種類以上の微量ミネラルが含まれています。
特にマグネシウムは、血管の筋肉を緩めて血圧を調整する極めて重要な働きを担っています。
精製塩ではほぼゼロにまで削ぎ落とされるこれらのミネラルが、ナトリウムの暴走を抑え、細胞の電気信号を正しく伝える「調和役」として機能するのです。
たった 1% の違いが、あなたの細胞がイキイキと活動するか、枯れて焦げ付くかの分かれ道となります。
「減塩」が病気を作る?現代医学が語らない高血圧の真犯人
| 比較項目 | 精製塩(食卓塩など) | 本物の天然塩 |
|---|---|---|
| 主成分 | 塩化ナトリウム 99% 以上 | 多彩な海のミネラル群 |
| 製造工程 | イオン膜・立釜(工業的) | 天日・平釜(伝統的) |
| 体への影響 | 血管を収縮、体を冷やす | 代謝を上げ、体を温める |
| 血圧への作用 | 急上昇のリスクが高い | ミネラルの力で安定させる |
精製塩の過剰摂取と天然塩の欠乏。血圧を決めるのは量ではなく「質」である
「塩分控えめ」というスローガンのもと、日本人はこの数十年間、ひたすら塩を減らしてきました。
しかし、高血圧患者の数は減るどころか増え続けています。
この矛盾の答えは簡単です。体が必要としている「本物のミネラル」を摂らずに、精製された塩だけを恐れているからです。
ある研究データによれば、塩化ナトリウム 99% の精製塩を摂取したグループは血圧が上昇したのに対し、ミネラル豊富な天然塩を摂取したグループでは、血圧の上昇が見られなかった、あるいは逆に安定したという結果も報告されています。
体にとって塩は、血液を造り、新陳代謝を促す「火」のエネルギーそのもの。
それをむやみに減らすことは、命の火を消すことに等しいと自覚すること。
腎臓をいたわり、余分なナトリウムを排出する「海のミネラル」の相互作用
腎臓は血液を濾過する大切な臓器ですが、精製塩ばかりが体に入ると、それを排泄するために多大なエネルギーを消耗し、次第に疲れ果ててしまいます。
天然塩に含まれるカリウムは、余分なナトリウムを尿と一緒に外へ出してくれる「天然の利尿剤」です。
自然界の理に従えば、塩は自らの中に、その副作用を打ち消すための薬も一緒に抱え込んでいます。
自然の形を壊さず丸ごといただくことで、腎臓に負担をかけることなく、体内の塩分バランスを勝手に整えてくれるのです。
ラベルの裏側に隠された「工程」の罠
「イオン膜」や「立釜」が命を奪う。電気的に引き抜かれた死んだ塩の実態
塩を選ぶ際、最も注視すべきは「工程」の欄です。
ここに「イオン膜」や「立釜」と書かれているものは、電気の力でイオンを選別し、効率よく大量生産された工業製品です。
この方法では、海水に含まれる豊かなミネラルの調和が完全に破壊され、特定の成分だけが抽出されてしまいます。
どんなに高級そうなパッケージであっても、この工程を経て造られた塩に生命力は宿っていません。
機械で造られた死んだ塩を摂り続けることは、あなたの体力を削り、内臓を冷やす原因となります。
四季の風と太陽が醸す「完全天日塩」。微生物と共生する熟成の輝き
最高の塩とは、海水を塩田に引き込み、太陽の熱と風の力だけで数ヶ月かけて結晶化させた「完全天日塩」です。
一切の加熱をせず、自然の気候に任せてじっくりと造られる塩は、海そのもののエネルギーを凝縮しています。
また、熟成期間を設けることで、塩の角が取れ、まろやかな薬効成分へと変化します。
これは微生物の働きや自然の摂理が介在した「生きた塩」であり、私たちの血液を清らかに保つ最高のご馳走となるでしょう。
「平釜」と「乾燥」。日本伝統の製法に宿る、体を芯から温める陽性の力
日本の気候では、雨が多いために完全天日だけで造るのは容易ではありません。
そこで古来より行われてきたのが、釜でじっくりと炊き上げる「平釜」製法です。
適度に火を通すことで、塩に「陽」の気が加わり、日本人の冷えやすい体を芯から温める力強さが生まれます。
「平釜」と書かれた塩は、日本人の体質に最も馴染みやすく、胃腸を整え、活力を与えてくれる素晴らしい知恵の結晶です。
天然塩の汚染リスクを避ける
マイクロプラスチックと重金属。作り手がどのような「浄化」を行っているか
「海が汚れているから天然塩は怖い」と心配する声も聞きます。
確かに現代の海にはマイクロプラスチックや重金属の問題が存在します。
しかし、本物の塩造りをしている蔵元は、この問題に真剣に向き合っています。
海水を汲み上げる際に深い層から採取したり、特殊なフィルターで不純物を徹底的に濾過したり、あるいは結晶化の過程で不純物を丁寧に取り除いたりといった工夫を凝らしています。
どのような想いで、どのような環境で造られているか、作り手の顔が見える塩を選ぶことが、現代における最大の防衛策となります。
本物の「天然塩」の選び方
スーパーの棚に並ぶ多くの塩の中から、命を養う本物を見抜くには、パッケージの「裏側」を読む眼を持つこと。
表側に書かれた「美味しい」「自然」という言葉に惑わされるのをやめ、規約によって定められた事実のみを直視すること。
日本人の体を芯から温め、血液を清らかにする塩を選ぶための基準を、ここにお伝えします。
原材料名が「海水」のみであること
裏面の原材料名を確認してください。そこに「海水(日本)」とだけ記されているものが、本来の塩の姿です。
「天日塩」や「岩塩」とあっても、それが海外から輸入されたものであれば、日本の風土で生きる私たちの体には馴染みにくいことがあります。
また、サラサラさせるための「固結防止剤」などの添加物が入っていないか、しっかりと確かめること。
「工程」の欄に「天日」「平釜」と書かれていること
ここが最も重要な分かれ道です。
「イオン膜」「立釜」「逆浸透膜」と書かれたものは、電気や薬品の力で成分を強制的に分けた工業製品であり、生命の調和が壊されています。
太陽と風の力だけで結晶化させた「天日」、あるいは職人が釜でじっくりと炊き上げた「平釜」。
自然の営みと人の誠実さが介在する製法だけが、海に含まれる80種類以上のミネラルを丸ごと結晶に封じ込めることができるのです。
| 選んではいけない塩 | 選ぶべき本物の塩 | |
|---|---|---|
| 原材料 | 天日塩(輸入)、固結防止剤 | 海水(国産) |
| 製造工程 | イオン膜、立釜、逆浸透膜 | 天日、平釜、乾燥 |
| 成分 | 塩化ナトリウム $NaCl$ 99%以上 | 多種多様な微量ミネラル群 |
栄養成分表示の「マグネシウム」の量を見ること
塩化ナトリウムの数値が 99% に近いものは、精製された「死んだ塩」です。
本物の塩は、ナトリウム以外のマグネシウム、カリウム、カルシウムが豊富に含まれています。
特にマグネシウムが 400mg(100gあたり)以上含まれているものは、血管を緩め、血圧を安定させる助けとなります。
数字上の塩分量ではなく、その中にある「ミネラルの深さ」を信じることです。
選別基準をすべて満たした「天然塩」厳選3選
わたくしが心から信頼し、作り手の魂と自然の理が宿った「本物」を3つ選びました。
これらは単なる調味料ではなく、台所に常備しておくべき「命の薬」です。
いずれも、国産海水100%・伝統製法・ミネラルバランスのすべてを完璧に満たしています。
①【土佐の塩丸】完全天日だけで仕上げた最高の天日塩
高知県の美しい海岸で、一切の火を使わず、風と太陽の力だけで数ヶ月かけて干し上げられた究極の天日塩です。
職人が毎日毎日、手作業で塩の結晶を混ぜ、自然と対話しながら育て上げます。
加熱(釜炊き)をしていないため、海に含まれる微生物のエネルギーや酵素の力がそのまま生きていると言われます。
大地の力強さを感じる大粒の結晶を噛み締めれば、生命が海から誕生した時の遠い記憶が細胞に蘇るのを感じるはずです。
わたくしはずっとこの天然塩しか使っておりません。
天日平釜以上の、これ以上ない製法で作られた塩ですから、これ以外を選択する理由もないのです。
②【海の精】「あらしお」
伊豆大島の清浄な海水を、ネット状の採塩山に幾度も流し、太陽と風の力だけで濃縮する「立体塩田」で作られています。
最後は平釜でじっくりと炊き上げ、海のミネラルを一切損なうことなく結晶化させています。
日本における伝統塩復活のパイオニアであり、そのまろやかな塩気と深い甘みは、私たちの血を造り、内臓を養う力に満ちています。
迷ったら、まずはこの赤いラベルの「あらしお」を台所の中心に置くことです。
③【ぬちまーす】
沖縄の美しい海水を、霧状にして温風を当てる「常温瞬間空中結晶法」という独自の製法で造られています。
海水の成分をそのまま空中で結晶化させるため、世界でも類を見ないほど多種多様なミネラルが含まれています。
特にマグネシウムの含有量が多く、血圧が気になる方や、足がむくみやすい方の強い味方となります。
パウダー状で体に吸収されやすいため、朝一番の白湯に溶かして飲む「塩水養生」にも最適です。
読者さんからのQ&A
Q. 「天然」という言葉がラベルに使われていないのはなぜですか?
A. 現在の日本の規約では、塩のラベルに「天然」「自然」という表現を使うことが禁じられているからです。
そのため、「天然」という言葉を探すのではなく、原材料名が「海水」のみであり、かつ工程に「天日」「平釜」とだけ書かれているものを選ぶ眼を持つことです。言葉の表面ではなく、その裏側にある造り手の誠実さを読み取ること。
Q. 岩塩と海塩、どちらを常用すべきでしょうか?
A. 四面を海に囲まれた日本に生きる私たちは、海塩を基本とすること。
岩塩はナトリウムに偏っているものが多いのが実状です。
海塩は私たちの血液組成に最も近いバランスを保っています。地元の海で、その土地の風に吹かれて造られた塩をいただくことが、身土不二の理に叶い、体への馴染みも最も良いのです。
Q. 塩水療法(塩水養生)で効果を出すためのポイントは?
A. 0.9% という「生理食塩水」の濃度を基準にすること。
朝一番の白湯に、ほんの少量の天然塩を溶かして飲むことで、水は細胞の中にまでスムーズに浸透していきます。
1 リットルの水に対し 9 グラムの塩が目安ですが、まずは自分の舌が「美味しい」と感じる濃度から始めること。
Q. 子供に天然塩を与えすぎると、味覚が濃くなりませんか?
A. 本物の塩は、むしろ繊細な味覚を育て、子供の脳を安定させます。
味覚を麻痺させるのは、化学調味料や精製塩の刺激です。
天然塩は素材の持つ甘みや旨味を引き出すため、野菜本来の美味しさを子供に教えてくれます。
子供の未来を願うなら、まず台所の塩を変えることから始めることです。
逆浸透膜とは、水分子以外のほとんどを通さない極めて細かいフィルターを使って、海水を濃縮したり真水を作ったりする技術です。確かに、マイクロプラスチックや有害物質を除くという点では効率的かもしれません。
しかし、自然療法の視点で見れば、これも極めて「不自然な加工」です。電気的な圧力をかけて無理やり膜を通すことで、海水に含まれる80種類以上のミネラルが本来持っている「生命の繋がり」がバラバラに引き裂かれてしまいます。
こうして抽出された成分を後から寄せ集めても、それはもはや海そのものの命とは別物です。精製塩が「死んだ塩」であるように、高度な機械で造られた塩もまた、私たちの細胞を真に潤す力を持っていません。
薬品や膜というフィルターを通すのではなく、太陽の光と風という自然の恵みだけで結晶させた塩こそが、私たちの血となり肉となるのです。
今日からやってみる天然塩への切り替えリスト
- スーパーの棚で、工程欄に「イオン膜」「立釜」と書かれた塩を感謝して手放すこと。
- 「天日」「平釜」と記された、作り手の誇りが宿った塩を新しく迎えること。(極めるなら完全天日を選ぶこと)
- 一週間、精製塩を完全に断ち、天然塩に切り替えて「目覚めの良さ」を観察すること。
- 朝一杯の白湯に天然塩をひとつまみ溶かし、内なる海を浄化する習慣を始めること。
- 料理の味付けだけでなく、お風呂に入れたり鼻うがいに使ったりと、塩の力を多角的に活用すること。
塩は、あなたが自分自身と家族を慈しむための「最も安価で強力な薬」です。
不自然な情報に惑わされるのをやめ、大地の恵みが凝縮された本物の一粒で、内側から輝く命を育てていくことにしましょう。






コメント