自然療法を通して、現代の食卓がいかに「便利さ」という名の毒に侵されているかを案じています。
仕事の合間に、自動販売機のボタンを押し、プシュッと開けるその瞬間。
手軽な「癒やし」のつもりかもしれませんが、あなたの体の中では大混乱が起きています。
1缶に溶け込んだ大量の砂糖、牛乳のふりをした質の悪い油、そして脳を騙す人工甘味料。
これらは自然の理から最も遠い「工業製品」です。
便利さと引き換えに、私たちが何を失っているのか。
缶コーヒーに隠された不都合な真実を、今こそお話しすることにします。
缶コーヒーが内臓を蝕む真実
角砂糖5個分が溶けた「泥水」。急激な血糖値上昇が血管をボロボロにする
1本の缶コーヒー(約190ml)に、どれほどの砂糖が入っているか知っていますか。
一般的な微糖ではないタイプで、角砂糖に換算しておよそ4個から5個分(約15g〜20g)、ロング缶(500ml)になれば10個分以上(約40g〜50g)もの砂糖が溶け込んでいることがあります。
もし、目の前でコーヒーカップに角砂糖を5個も入れる人がいたら、あなたは正気か疑うでしょう。
しかし、缶に入って見えなくなると、平気でそれを飲み干してしまうのです。
空腹時にこの「砂糖水」を流し込むと、血糖値は垂直に跳ね上がります(血糖値スパイク)。
血管の内壁は傷つき、膵臓は必死でインスリンを出して対抗しますが、やがて疲れ果ててしまいます。
これが糖尿病や動脈硬化の入り口です。
甘い泥水を血管に流して、健康でいられるはずがないのです。
「微糖」の看板に隠された嘘。人工甘味料が脳の満足度を狂わせ、依存症を作る
「砂糖が気になるから」と、微糖や糖類ゼロを選ぶのは、さらに悪い選択です。
砂糖を減らした分、アスパルテームやアセスルファムKといった「人工甘味料」が添加されているからです。
これらは砂糖の数百倍の甘さを持ちながら、脳に「エネルギーが来た」と勘違いさせますが、実際にはカロリーがないため、脳がパニックを起こします。
結果として、もっと甘いものが欲しくなり、依存症の回路が出来上がります。
自然界に存在しない化学物質で脳を騙すことは、自分の感覚を麻痺させる行為です。
ミルクのふりをした油を身体に入れる恐怖
水と油を強制的に混ぜる化学の力。腸のバリアを壊す「リーキーガット」のリスク
原材料名にある「牛乳」の文字よりも前に、「砂糖、植物油脂、乳化剤」と書かれていることが多いのをご存知でしょうか。
あのまろやかなミルク感の正体は、牛乳ではなく、安価な油と水を、薬品(乳化剤)で無理やり混ぜ合わせたものです。
乳化剤とは、平たく言えば「洗剤(界面活性剤)」と同じ働きをするものです。
水と油の境界を壊すこの成分が、人間の腸に入ったらどうなるか。
腸の粘膜バリアを緩め、本来通してはいけない毒素や未消化物を血液中に漏れ出させる「リーキーガット症候群」の原因になり得ます。
内臓を洗剤で洗うようなまねをしてはいけません。
香料という名の化学薬品。コーヒー本来の薬効(ポリフェノール)が死んでいる理由
缶コーヒーを開けた瞬間の、あの強烈な香り。
あれは豆の香りではなく、化学的に合成された「香料」の匂いです。
缶コーヒーは製造過程で高温高圧の殺菌処理を義務付けられているため、本来の繊細な香りはすべて飛んでしまっています。
それを誤魔化すために、石油由来の香料を添加しているのです。
死んでしまった豆の抜け殻に、化粧をして生きているように見せかけているだけです。
そこには、コーヒー本来の薬効である抗酸化作用(ポリフェノール)など期待できません。
缶そのものに潜む罠。熱によって溶け出す内分泌攪乱物質
ビスフェノールA(BPA)の恐怖。ホルモンバランスを乱し、次世代の命に影を落とす
中身だけではありません。
容器である「缶」そのものにも毒が潜んでいます。
スチール缶やアルミ缶の内側には、金属が溶け出さないように樹脂コーティングが施されていますが、ここに含まれる「ビスフェノールA(BPA)」という化学物質が、製造時の加熱や、ホット販売時の熱によって飲料に溶け出すリスクがあります。
BPAは環境ホルモンの一種であり、生殖機能やホルモンバランスを乱すことが懸念されています。
フランスなど一部の国では食品容器への使用が厳しく制限されていますが、日本ではまだ野放しです。
未来の命をつなぐ体を、便利さのために汚してはいけません。
重金属の蓄積。アルミ缶やスチール缶から溶け出す目に見えない不純物
酸性の液体であるコーヒーを、金属の缶に入れ、熱を加える。
化学の常識で考えれば、微量であっても金属成分(アルミニウムなど)が溶出する可能性は否定できません。
アルミニウムは脳神経への影響が長年議論されている物質です。
直ちに影響はなくとも、塵も積もれば山となります。
解毒能力の低い子供や、肝臓が弱っている人が毎日飲み続ければ、排出されずに体内に蓄積されていくのです。
缶コーヒーを飲むほどに老ける理由
「おしっこがコーヒー臭い」のは警告。処理しきれない毒素が腎臓を悲鳴を上げさせる
缶コーヒーを飲んだ後、トイレに行くと、おしっこから強いコーヒーの匂い、あるいは焦げたような匂いがすることに気づくこと。
それは、体が「これは栄養ではない、異物だ」と判断し、腎臓がフル稼働して緊急排出した証拠です。
本来、自然な食べ物は体内で同化されますが、不自然な香料や化学物質は、体が受け入れずにそのまま出そうとします。
そのたびに腎臓というフィルターは傷つき、疲弊していきます。
匂いは体からの悲鳴です。
慢性的な「だるさ」の正体。副腎を疲れさせ、自律神経をズタズタにするカフェインの暴力
「元気を出そう」として飲むその一本が、実はあなたを疲れさせています。
缶コーヒーに含まれるカフェインと大量の糖分は、副腎を刺激し、アドレナリンを無理やり分泌させて、一時的な興奮状態を作ります。
これは元前借りしているだけで、効果が切れれば反動で強烈なダルさが襲ってきます。
これを繰り返せば、副腎は疲労困憊し(副腎疲労)、自律神経は乱れ、朝起きられない、やる気が出ないという廃人のような体になってしまいます。
賢い人は「缶」を卒業する。本物の休憩と身体を養う飲み方
コンビニのドリップコーヒーに切り替えること。せめて「素材」に近いものを選ぶ
どうしても出先でコーヒーが飲みたいのなら、缶コーヒーは卒業し、コンビニの「挽きたてドリップコーヒー」を選ぶこと。
これらは少なくとも、目の前で豆を挽き、お湯で抽出しています。
保存料や乳化剤、過剰な香料が入る余地がありません。
同じ100円、150円を払うなら、加工を極めた「缶詰の液体」ではなく、まだ命の片鱗が残っている「淹れたて」を選ぶのが、少しでも毒を減らす知恵です。
毒消しの作法。どうしても飲むなら「天然塩」をひとつまみ入れ、陰陽を整える
そして、コーヒーを飲むときは、必ず「天然塩」をひとつまみ入れること。
コーヒーは体を冷やす「極陰性」の飲み物ですが、海の精である塩(極陽性)を加えることで、陰陽のバランスが整い、体を冷やす害を和らげることができます。
味もまろやかになり、腎臓への負担も軽くなります。
ほんの少しの知恵と手間で、毒を薬に変えることはできませんが、害を減らすことはできるのです。
【読者さんからのQ&A】
本文では触れきれなかった、素朴な疑問や「逃げ道」を探したくなる心に対し、自然療法の視点からお答えします。
Q. 「ブラック無糖」の缶コーヒーなら、砂糖もミルクも入っていないので安全ではありませんか?
A. 砂糖の害は逃れても、缶の毒と「豆の死骸」からは逃れられません。
確かに砂糖や人工甘味料、乳化剤の害はありません。
しかし、ブラックであっても「缶コーヒー」である以上、長期保存に耐えうる高温殺菌処理が施されています。
この過酷な熱によって、コーヒーの善玉成分は死滅し、代わりに発がん性が疑われる「アクリルアミド」が濃縮されるリスクがあります。
また、先にお伝えした缶の内側からのBPA(環境ホルモン)の溶出は、中身がブラックだろうと変わりません。
そして何より、いつ焙煎し、いつ抽出したかわからない「酸化した黒い水」を体内に入れることは、細胞をサビさせる行為です。
ブラックなら安全、という免罪符はありません。
Q. 缶コーヒーを飲むと、動悸がしたり手が震えたりするのはカフェインのせいですか?
A. カフェインだけでなく、急激な「低血糖」を起こしている警告反応です。
加糖の缶コーヒーを飲んだ後に手が震えるのは、典型的な「反応性低血糖」の症状です。
液体状の砂糖が一気に体内に入り、血糖値が爆発的に上がると、体はパニックになりインスリンを大量放出します。
その結果、今度は血糖値が下がりすぎてしまい、脳がガス欠を起こすのです。
すると脳は、血糖値を上げようとして攻撃ホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンを分泌させます。
これが動悸や震え、イライラの正体です。
癒やしのつもりが、自律神経をジェットコースターのように振り回し、体を痛めつけていることに気づくことです。
Q. 毎日缶コーヒーを飲んでいますが、今のところ健康診断の数値は正常です。それでもやめるべきですか?
A. 「数値」に出た時は、手遅れの一歩手前です。
西洋医学の検査数値は、臓器がかなりダメージを受けてからでないと異常値を示しません。
しかし、あなたの体はすでにサインを出しているはずです。
朝の目覚めが悪い、食後に異常に眠くなる、肌がくすむ、便が臭い、イライラしやすい。
これらはすべて「未病」のサインであり、肝臓や腎臓が悲鳴を上げている証拠です。
数値が正常だからといって、毒を飲み続けて良い理由にはなりません。
ダムが決壊してから慌てるのではなく、水が漏れ出している今、蛇口を閉めること。
それが賢い大人の養生です。
Q. どうしても缶コーヒーが止められません。中毒でしょうか?
A. 立派な「砂糖・カフェイン依存症」です。まずは「温かいお茶」に置き換えること。
止められないのは意志が弱いからではなく、脳が化学物質と糖分に乗っ取られているからです。
無理に我慢すると反動が来ます。
まずは、缶コーヒーを買いたくなったら、代わりに温かい「三年番茶」や「麦茶」を買う習慣をつけること。
温かいものを胃に入れれば、精神的な渇望感は和らぎます。
そして、どうしてもコーヒーが欲しい時は、自分で淹れたものを水筒に入れて持ち歩くこと。
手間をかけることで、自分を大切にする心が育ち、自然と粗悪なものを体が受け付けなくなります。
焦らず、少しずつ本物の感覚を取り戻すことです。
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