【捨ててはいけない】冷蔵庫の「余ったレモン汁」は万能の薬。体を清め、暮らしを整える使い尽くしの知恵

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冷蔵庫の隅で忘れ去られ、茶色く変色してしまったレモン汁の瓶を見るたびに、胸が痛みませんか。それは単なる酸っぱい液体ではなく、太陽を浴びて育った果実の命そのものです。レモン果汁は疲れた肝臓を癒やし、家中の汚れを清める素晴らしい力が眠っています。

「使いきれない」と嘆く前に、その酸味が持つ本当の浄化力を知ること。

食卓の味付けだけでなく、ドロドロ血の浄化、住まいの汚れ落とし、そして肌の手当てまで。自然の理にかなった方法で、最後の一滴まで使い尽くす術をお伝えします。

「塩レモン」と「冷凍」でエネルギーを閉じ込める保存術

万能薬「塩レモン」を作る。時間が育てる天然の防腐剤と旨味

瓶の底に残ったレモン汁を見て、どうしようかと迷う暇があれば、すぐに塩と合わせることです。

昔から塩蔵(えんぞう)は、命を腐敗から守る最高の知恵でした。

清潔な瓶にレモン汁を移し、その重量の10%~20%の天然塩を加えてよく混ぜておくこと。

これだけで、レモン汁は「塩レモンエキス」へと生まれ変わります。塩の浸透圧と殺菌力で腐敗が止まり、さらに時間が経つほどに角が取れてまろやかな旨味調味料へと育っていきます。

これを炒め物の仕上げにひと回ししたり、浅漬けの隠し味に加えたりすれば、ただの酸味とは違う深みが出ます。捨てるはずだったものが、時間を味方につけて薬になるのです。

精製塩ではなく、天然塩を使うことを忘れずに。塩こうじと合わせるのも発酵を促すのでおすすめです。

製氷皿で小分けにして凍らせる

もう一つ、単純ですが確実なのが「凍らせる」こと。製氷皿に使いきれないレモン汁を少しずつ流し込み、キューブ状の氷にしてしまうこと。

こうすれば、命の時計を止めることができます。必要な時にポンと一つ取り出して、紅茶に入れたり、炭酸水に入れたり、あるいは解凍してドレッシングに使ったりできるのです。

大きな瓶のまま劣化させていくから、使うのが億劫になるのです。使いやすい形に変えてあげること。それが食材を生かすということです。

飲む「クエン酸」としての活用法

朝一番の「レモン白湯」が、寝ている間に溜まった毒素を排泄する

朝起きたら、まず一杯の白湯に、余っているレモン汁を小さじ1杯入れて飲むこと。これは最高のデトックスです。人間は寝ている間に体内の清掃活動を行い、老廃物を溜め込んでいます。朝の体は酸性に傾き、淀んでいるのです。

レモンに含まれる「クエン酸」は、体内に入るとアルカリ性の働きを助け、代謝の歯車(クエン酸回路)を回す着火剤となります。酸っぱい刺激が肝臓を目覚めさせ、胆汁の分泌を促し、血液中の毒素を洗い流してくれます。高いサプリメントなど必要ありません。この一杯が、今日一日を生きる活力を作るのです。

胃酸不足を補い、消化を助ける。食前のひと口が胃腸薬代わりになる理由

年を重ねると、「肉や油物がもたれる」という人が増えます。これは胃酸が弱くなっている証拠です。そんな時こそ、食事の前に水で薄めたレモン汁をひと口飲むこと。

レモンの酸味が胃酸の分泌を助け、タンパク質の分解をスムーズにしてくれます。消化が良くなれば、胃腸の負担が減り、食後の眠気やだるさも防げます。薬で消化を抑えるのではなく、自然の酸味で消化の火を助けてあげる。これが体に優しい養生です。

合成洗剤はもういらない。台所のヌメリと水垢を落とす「酸」の力

魚焼きグリルの頑固な油汚れと臭い、レモンの皮と汁で中和する技

使いきれないレモン汁が古くなってしまったら、掃除に使えば良いのです。特に魚焼きグリルや電子レンジの中など、洗剤を使いたくない場所には最適です。

油汚れは「酸性」ですが、時間が経って酸化した油や、魚の生臭さ(アルカリ性のアミン類)には、酸性のレモンが効きます。

受け皿にレモン汁を垂らして洗ったり、庫内をレモン汁を含ませた布で拭いたりすることで、油を中和し、嫌な臭いを消し去ってくれます。合成洗剤の香料で臭いを誤魔化すのではなく、化学反応で元から断つのです。

電気ケトルのカルキ汚れも一掃。クエン酸の化学反応を利用した掃除術

電気ケトルやポットの内側に、白いガリガリとした汚れがついていませんか。あれは水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル分が固まった「アルカリ性」の汚れです。

これを削り落とそうとしてはいけません。レモン汁を大さじ2杯ほど入れて、満水にして沸騰させ、そのまま一晩置いておくこと。翌朝、水を捨てれば、嘘のように汚れが溶けてピカピカになっています。これはクエン酸がアルカリ性の汚れを中和・分解したからです。自然の力を使えば、力など入れなくても汚れは落ちるのです。

肌と髪を蘇らせる天然の美容液

石鹸シャンプーの後の「リンス」代わり。アルカリに傾いた髪を引き締める

石鹸で髪を洗うと、弱アルカリ性になり、キューティクルが開いてキシキシすることがあります。ここで市販の合成リンスを使うのではなく、洗面器一杯のお湯にレモン汁を少し垂らして、髪をすすぐこと。

これを「レモンリンス」と言います。酸性のレモン水が、アルカリに傾いた髪を中和し、開いたキューティクルをキュッと引き締めてくれます。すると、髪本来の自然な艶と、サラサラとした手触りが戻ってきます。頭皮にも優しく、残り香も爽やかです。

肘や膝の黒ずみ、角質を柔らかくして白くするピーリング効果

肘や膝、かかとが黒ずんで硬くなっていませんか。レモン汁には古い角質を柔らかくして取り除く「ピーリング作用(AHA)」があります。

古くなったレモン汁をコットンに含ませ、黒ずみが気になる部分を優しく拭き取ること。あるいは、入浴時にお湯に混ぜて手足を浸すのも良いです。硬くなった皮膚が柔らかくなり、自然と一皮むけたような透明感が出てきます。高い化粧品を買う前に、台所にあるもので自分を磨くことです。

なぜ「使いきれない」のか。安易な「瓶詰め」を買う生活を見直す

便利さに隠された添加物。生のレモンを絞る手間が、本当の健康を作る

そもそも、なぜレモン汁が余るのでしょうか。それは、保存料が入った大きな瓶詰めのレモン果汁を買っているからではありませんか。裏のラベルを見てごらんなさい。「香料」「保存料」と書かれてはいませんか。

不自然に長持ちする液体は、やはり体にとっても不自然なものです。そして、香りも味も本物には敵いません。だから愛着が湧かず、冷蔵庫の奥に追いやってしまうのです。

旬の時期に箱で買い、丸ごと使い切る。自然のリズムに合わせた暮らし方

本当の贅沢とは、旬の時期に国産の無農薬レモンを箱で買い、その時期にたっぷりといただくことです。

丸ごとのレモンなら、皮は薬味やお風呂に、果汁は料理や飲み物に、種は焼酎に漬けて化粧水にと、余すところがありません。必要な分だけをその都度絞る。その手間の中にこそ、香りという癒やしがあり、命をいただく実感があります。瓶詰めの便利さを手放し、季節と共に生きる暮らしを取り戻すことです。

【読者さんからのQ&A】

本文では触れきれなかった、レモン汁を使う上での注意点や、医学的な疑問について、自然療法の視点からお答えします。

Q. ポッカレモンなどの市販の「濃縮還元」のレモン汁でも、健康効果はありますか?

A. 「死んだ水」よりはマシですが、酵素の力は期待できません。

市販の瓶入りレモン汁の多くは、海外で搾汁し、加熱して濃縮したものに、再び水を加えて戻した「濃縮還元」です。さらに加熱殺菌されています。クエン酸という化学成分は残っていますから、掃除やキレート作用(ミネラルの吸収促進)はある程度期待できます。

しかし、生のレモンに含まれる「酵素」や「ビタミンC」の多くは、加熱と時間の経過によって失われています。自然療法で言う「生きたエネルギー」は微弱です。手当てや体質改善を目的とするなら、やはり生のレモンをその場で絞ることに勝るものはありません。瓶入りはあくまで「調味料」と割り切ることです。

濃縮還元についてはこちらの記事で詳しく書いておりますのでご覧ください

【100%の罠】「濃縮還元」は砂糖水と同じ?ジュースが奪う酵素と、血糖値を乱す液体の正体

 

Q. レモン汁を顔に塗って外出すると、シミになると聞きました。本当ですか?

A. 本当です。「ソラレン」という毒の性質を知ること。

レモンやオレンジなどの柑橘類には「ソラレン」という光毒性(ひかりどくせい)のある物質が含まれています。これを肌に塗った状態で紫外線(日光)を浴びると、普段以上に激しく日焼けをし、シミや炎症の原因となります。

ですから、レモンを使ったパックや化粧水を使うのは、必ず「夜」にすること。朝、レモン白湯を飲む程度なら問題ありませんが、果汁が口の周りについたまま外出するのは避けること。自然のものは薬にもなれば毒にもなります。その性質を知って付き合うのが知恵です。

Q. 毎日レモン汁を飲んでいたら、歯が溶けないか心配です。

A. その通りです。酸は歯のエナメル質を溶かします。

レモンの酸性度は非常に強く(pH2程度)、長時間歯に触れていると、表面のエナメル質が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」になる恐れがあります。

これを防ぐには、レモン水を飲んだ後に、すぐに真水で口をゆすぐこと。そして、飲んだ直後(30分以内)は歯磨きをしないことです。酸で柔らかくなっている歯をブラシで擦れば、削れてしまいます。ストローを使って、なるべく歯に触れないように喉へ送るのも良い知恵です。体には良くても、歯には厳しい。物事には必ず裏表があります。

Q. 胃が弱いのですが、レモン白湯を飲むと胃が痛くなります。

A. 体の声が「NO」と言っています。無理をしてはいけません。

レモンは消化を助けますが、すでに胃炎を起こしていたり、胃壁が荒れていたりする人にとっては、酸の刺激が強すぎて、かえって傷口に塩を塗るようなことになります。

胃が痛むなら、レモンの量をほんの数滴まで減らすか、飲むのをやめること。「体に良いから」と、自分の感覚を無視して続けるのが一番の毒です。まずは温かいお粥などで胃を養生させ、元気になってから、また少しずつレモンを取り入れれば良いのです。焦らず、自分の体と相談しながら進めることです。

本記事について、疑問や質問があればぜひコメントでお知らせください。わたくしが可能な限り皆様の不安や悩みにお答えいたします。

自然堂の守り人と申します。
古来より培ってきた自然の理によって、現代社会の不器用さ、矛盾を紐解き、本来あるべき自分を取り戻すための知恵をお伝えしております。

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