「本物の赤味噌」の見分け方│無添加・長期熟成がもたらすメラノイジンの健康効果

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調味料

健康のために「無添加の赤味噌」を選んでも、「酒精」で発酵が止められた味噌や、短期間で造られた偽物の赤味噌では、意味がありません。

本当に体に良い味噌は、長期熟成によって生まれたメラノイジンという強い抗酸化物質を含み、高価でも買うべき価値があります。

本記事では、大手スーパーで「無添加」と表示されていても見逃せない表示の罠と、昔ながらの製法を守る「生きた赤味噌」を見分ける確かな知恵をお伝えします。

赤味噌における「無添加」とは?避けるべき5つの添加物

スーパーで「無添加」と書かれた味噌を見ると、これで安心だとつい思い込んでしまいがちですね。しかし、本当に求める「無添加」とは、単に一部の添加物が入っていないというだけでは足りません。

赤味噌のような伝統的な発酵食品において、本当に体に良いものを選ぶためには、何が避けられているべきかをはっきりと知っておく必要があります。

味噌における「無添加」とは、基本的には、味噌の原料である大豆・米(または麦)・塩以外に、余計なものを加えていない状態を指します。

特に避けるべき代表的な添加物としては、化学調味料(アミノ酸等)漂白剤(次亜硫酸ナトリウムなど)甘味料(ステビアなど)保存料(ソルビン酸カリウムなど)、そして色を鮮やかに見せる着色料が挙げられます。これらの添加物は、安価に風味や色を調整し、保存性を高めるために使われますが、味噌が持つ本来の力強い風味や健康効果を台無しにしてしまいます。

赤味噌本来の深い味わいや、発酵によって生まれる天然の滋養をいただくためには、これらの人工的な力を借りていないものを選ぶ知恵が必要です。

「発酵を止めるアルコール」は無添加に含まれるのか?表示のグレーゾーン

さて、先ほど、無添加とは「余計なものを加えていない」状態だと申しましたが、味噌のラベルを注意深く見ると、「酒精」あるいは「醸造アルコール」と記されていることがあります。

これは、特に安価な味噌やスーパーで長期間陳列される味噌に使われることが多く、味噌の発酵と熟成の進行を抑える目的で加えられています。アルコールで発酵を止めてしまうことで、容器の膨張を防ぎ、また、風味が変わりすぎないように品質を一定に保つことができるのです。

では、このアルコールが加えられた味噌は「無添加」と言えるのでしょうか。

日本の表示ルール上、アルコールは「食品添加物」ではなく「調味料・香料等」として扱われることが多く、「無添加」の表示を謳う味噌にも含まれているという、消費者にとっては大変紛らわしいグレーゾーンがあるのです。

アルコール自体に毒性があるわけではありませんが、私たちは「無添加」の赤味噌を選ぶ際、「生きたままの、発酵が続いている味噌」を求めているはずです。

発酵を止めてしまった味噌は、いくら美味しくても、天然の酵素や風味の変化といった「生きた力」を失っています。本当に伝統的で自然な赤味噌を選びたいならば、「無添加」の表示だけでなく、「酒精」や「アルコール」の記載がないか、そして「天然醸造」という昔ながらの製法を明記しているかを確認するという、より深い洞察力を持つことが大切です。

スーパーで本物を探す!無添加赤味噌の選び方

大手スーパー(イオン・西友など)で実際に手に入る銘柄

近くのスーパーで本物の赤味噌など手に入らない、と諦めてはいけません。イオンや西友といった大手スーパーであっても、作り手の良心を感じる製品は必ず見つかります。

ここでは、比較的入手しやすく、かつ品質も信頼できる代表的な銘柄をいくつかご紹介しましょう。

まず、赤味噌の代表格である「八丁味噌」を探すなら、愛知県の老舗「カクキュー」と「まるや八丁味噌」の二大ブランドは外せません。

この二つは、多くのスーパーで取り扱いがあります。特にカクキューの「国産大豆八丁味噌(銀色の袋)」や、まるやの「無添加八丁味噌」は、余計なものを一切使わず、大豆と塩のみで二夏二冬(ふたなつふたふゆ)という長い時間をかけて熟成された、正真正銘の本物です。

ただし、同じメーカーでも「赤出し(赤だし)」と書かれた商品は、飲みやすくするために米味噌や糖類を混ぜている場合がありますから、必ず裏面の原材料を見て、「大豆、食塩」のみのシンプルなものを選ぶのがコツです。

また、もう少し手軽な価格で日常使いしやすいものとしては、ひかり味噌の「無添加 円熟こうじみそ」の赤色パッケージも優秀です。

これは八丁味噌(豆味噌)ではなく、米麹を使った熟成型の赤味噌ですが、有機大豆を使っていたり、化学調味料不使用であったりと、スーパーで買える味噌の中では非常に良心的です。

高いものが必ずしも全てではありません。まずは手に取りやすいこれらから始めて、徐々に自分の舌に合う「本物」を見つけていくのが良いでしょう。

「天然醸造」「長期熟成」など、品質を裏付けるキーワードの見分け方

無添加であること以上に、味噌の生命力を決定づけるのが、製造方法です。パッケージの表に躍る「無添加」の文字だけでなく、裏面の表示や小さな文字に品質を保証するキーワードを見抜く目を養いましょう。最も注目すべき言葉は「天然醸造(てんねんじょうぞう)」です。

安い味噌の多くは、温かい部屋で強制的に温度を上げ、わずか数ヶ月で発酵を終わらせてしまいます。
これを「速醸(そくじょう)」と言いますが、これでは深みのある味も、体を守る有効成分も十分に育ちません。

対して「天然醸造」と書かれた味噌は、日本の四季の温度変化に任せて、一年、二年とじっくり時間をかけて発酵させています。この長い時間が、赤味噌特有の褐色成分「メラノイジン」を生み出し、抗酸化作用のある薬効の高い味噌へと育て上げるのです。

また、「長期熟成」という言葉も一つの目安になります。特に赤味噌の場合、色が濃く黒っぽいものほど、熟成期間が長く、栄養価が凝縮されている証拠です。

さらに、パッケージに「通気口(バルブ)」がついているかどうかも確認してみてください。呼吸口があるということは、酵母が生きていて、今も発酵し続けているという「生みそ」の証です。

加熱殺菌されて止まってしまった味噌ではなく、生きたままのエネルギーを頂くことこそ、食養生の基本であることを忘れないでください。

熟成期間が短い味噌との健康面での違い

スーパーに並ぶ安価な味噌の多くは、温かい部屋で人工的に発酵を早める「速醸法」で作られており、白っぽく、あっさりとした味わいが特徴です。

これに対し、本物の赤味噌は、日本の四季の厳しい寒暖差の中で、一年、二年、あるいはそれ以上の長い時間をかけてじっくりと寝かせられます。この気が遠くなるような時間が、大豆の成分を根本から変化させ、「メラノイジン」という褐色色素を大量に生み出します。

赤味噌のあの深い黒褐色の正体こそが、このメラノイジンなのです。このメラノイジンは、単なる色ではありません。

強い抗酸化作用を持ち、私たちの体の中で増えすぎた活性酸素を取り除き、細胞が錆びつくのを防いでくれる、まさに「薬」のような働きをしてくれます。

また、腸内の善玉菌を助け、血液をきれいにする働きも期待されています。熟成期間の短い味噌では、この成分は十分に育ちません。効率を優先して時間を短縮するということは、自然が与えてくれるこの素晴らしい治癒力を捨ててしまっているのと同じことなのです。

見た目の綺麗さや手軽さよりも、時間をかけることでしか得られない、この土のような色に秘められた生命力をいただくべきでしょう。

無添加の赤味噌はなぜ塩分が高い?

健康を気にする方の中には、赤味噌の塩分が高いことを懸念し、敬遠される方もいらっしゃいます。

確かに、成分表示の数字だけを見れば、赤味噌は白味噌や合わせ味噌に比べて塩分濃度が高めに設定されていることが多いです。

しかし、これには理由があります。赤味噌のように長期間、常温で熟成させるためには、腐敗を防ぐためにどうしても一定量の塩分が必要不可欠なのです。塩は、長い年月の間、雑菌から味噌を守り抜き、じっくりと発酵を進めるための「守り神」の役割を果たしているのです。

ここで大切なのは、数字上の塩分量と、実際に体に入ってくる塩分量は違うということです。

長期熟成された赤味噌は、大豆のタンパク質が分解されてできたアミノ酸の旨味や、先ほどのメラノイジンなどの風味が極限まで凝縮されています。そのため、ほんの少しの量で十分に深い味がつきます。

結果として、使う味噌の総量が減り、摂取する塩分量はそれほど多くならない、あるいは出汁を濃く取ることでさらに減塩できるというバランスが成り立つのです。

単に「塩分が高いから悪い」と決めつけるのではなく、その塩が守り育てた豊かな栄養と、少量で満足できる本物の風味との調和の中にこそ、健康を支える真実があることを知っていただきたいものです。

価格と保存法

高価でも買うべき理由

スーパーの棚に並ぶ本物の無添加赤味噌は、特売で山積みされている速醸の味噌に比べると、倍以上の値段がついています。家計を預かる主婦としては、どうしても安い方に手が伸びてしまう気持ちはわかります。

しかし、目先のレシートの金額だけで「高い」と決めつけ、本物を遠ざけてしまうのは、あまりにももったいないことです。長い目で見れば、無添加の赤味噌こそが、最も経済的で賢い選択。

まず、長期熟成された赤味噌は、旨味と風味が非常に濃厚です。そのため、お味噌汁を作る際も、色の薄い安価な味噌に比べて少ない量で十分に味が決まります。

一回に使う量が少なくて済むのですから、一パックが長持ちし、結果として一杯あたりのコストは数円から数十円の違いに収まります。

さらに重要なのは、その「価値」の中身です。数百円の上乗せで、農薬の心配の少ない良質な大豆と、天然のミネラルを豊富に含んだ塩、そして職人が数年かけて見守った時間と手間を買うことができるのです。

これは、安価な味噌には絶対に含まれていない、プライスレスな栄養です。日々の食事で体を整え、病気を防ぐことができれば、将来の医療費や薬代を節約することにも繋がります。

「安物買いの銭失い」にならぬよう、毎日の味噌にお金をかけることこそが、家族の健康を守るための最も確実な投資であると心得ましょう。

「生きた味噌」の保存術

無添加の赤味噌を買ってきても、使い切れずにカビさせてしまったり、風味が落ちてしまったりしては元も子もありません。特に、酒精(アルコール)や保存料が入っていない「生きた味噌」は、常に発酵が進んでいるため、保存には少しばかりの愛情と手間が必要です。

開封した味噌は、必ず冷蔵庫に入れて保管してください。常温のままでは発酵が進みすぎて、風味が酸っぱくなったり、色が黒くなりすぎたりしてしまいます。低温で菌の活動を穏やかに休ませてあげることが大切です。

そして、味噌の大敵は「乾燥」と「酸化」です。使い終わったら、味噌の表面を平らにならし、その上にラップを隙間なくぴたりと貼り付けて、空気に触れないようにしてあげましょう。昔の人は、和紙や酒粕で蓋をして味噌を守りましたが、ラップでもその代わりは十分に務まります。

もし、表面に白いカビのようなものが出てきても、慌てて捨ててはいけません。これは「産膜酵母」といって、味噌の酵母と同類の菌であり、毒ではありません。

ただ、そのままでは風味が落ちますから、その部分だけを薄く削り取れば、下の中身は美味しくいただけます。また、容器の縁についた味噌は乾燥してカビの原因になりますから、使うたびにきれいに拭き取る癖をつけましょう。こうした小さな心配りが、最後まで味噌を美味しくいただくための、台所の作法なのです。

本記事について、疑問や質問があればぜひコメントでお知らせください。わたくしが可能な限り皆様の不安や悩みにお答えいたします。

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古来より培ってきた自然療法によって、現代社会の不器用さ、矛盾を紐解き、本来あるべき自分を取り戻すための知恵をお伝えしております。

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